と き:5月1日、最高の五月晴れ、
ところ:真田区の剣岩(けんいわ)の稲荷神社



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真田区にそびえる剣岩は、下から見上げるととてつもなく急な山で、そのどこで獅子舞をやるのだろうか? と思わずにいられないほど険しい。

参加者は12時に公民館に集合し、12時半から登山開始。

山家神社の宮司・押森さんは、神主の衣装にぞうり履きで、かなり急な山道をすたすたと登って行ってしまった。
あとから地元の約50名程の善男善女が、あごを出しながら、登っていく。

稲荷神社は剣岩の4合目あたりの、一枚の大きな岩の下にひっそりと小さな祠(ほこら)がある。
その前に約30坪くらいの平らな広場があるという、典型的な山の神社。

この祭りは、作物の豊かな実りを願って行われる、八十八夜のお祭りだそうです。
八十八夜とは、節分から数えて88日目。だいたい陽暦の5月1日か2日で今年は2日です。
東信地方では、この日に農耕や養蚕の神の祭りを、山の祠などで行うところが多いそうです。

真田区の約160戸が20数組にまとめられ、毎年各組の持ちまわりで世話役をやるのがしきたり。
笛や太鼓は各組が練習をしてマスターしなければならない。

鳴りものが苦手な人は、力仕事で奉仕し、それでも都合で出られない人は50銭(今ならいくら?)をださねばならない、と言う、なかば強制的に引き継がれてきた、伝統行事なのです。

祭りは1時より開始。 太鼓に加えて笛の演奏が始まる。
笛は押森宮司が自ら演奏。
7分ほどの演奏が終わると、神事がとり行われる。

宮司の祝詞は、口語でわかりやすい。
「・・・実りゆたかであらんことを、かしこみ、かしこみもうすー」

代表者数人の玉串奉奠(たまぐし ほうてん)と、真田区長さんの簡単な挨拶がある。














 

さあて、おまちかね獅子舞の出番
 

先程まで、ハエトリグモと遊んでいた、Tシャツのおじさんがやおら、獅子頭をかぶり始める。
ここの獅子舞は、やはり女獅子だそうで、頭1人、布の中に3人の男性が入って舞が始まる。



おととしの十林寺地区の獅子舞のように、内またで、獅子頭も伏目がち。
お神楽は、先程と同じトリオ?

しかし若干異なるのは、太鼓をたたきながらの相の手の掛け声が元気だ。
終始伏し目の獅子と、かぶりもので顔を覆うしぐさなど、女獅子とはこういうものか?・・・

しかし、舞はその一部を奉納して数分でおわってしまう。 後は“なおらい”(直会)といって、参列者全員が神様と一緒にお酒を汲み交わす。
50人ほどの参加者が、お神酒を飲みながらしばし雑談。











 

この時間を使って、獅子舞の頭の方に、女獅子の所作のわけを解説してもらうべく、インタビュー(お神楽が聞けます)をしました。



この獅子舞は神様に楽しんでいただけるように、ネコ科の動物のしぐさをユーモラスに演じるもので、十林寺地区で行われている鈴などを持った舞いは、やはりちょっと性的な意味もあるそうです。
“なおらい”も 3〜40分でさらりとお仕舞い。

最後は区長さんの挨拶、
「ここから皆さんの家が見えるはずです。それではそれぞれ家の方を向いて、万歳をしましょう!」

“バンザイ−ィ、バンザイ−ィ”

終わり近くに、押森宮司より「神前で、このようにお祭りをし、住民が皆で議論をする場・住民の参加する機会と、場所が、祭の庭(直会の席)だったっと考えます。これこそが“マツリゴト”(政治)の原点だと思いますよ」 と解説いただきました。

そう言えば、普通のお祭りにつき物の、屋台も無ければ、子供の姿も見えない。(土曜日で学校があったので、あとから2名の女の子が顔を出しただけ)
開始から終了まで、2時間程度。

確かに、そこで区長さんが音頭をとって、町の事を話し合っていたなら、まったくそうなのかもしれない、と納得した次第。

獅子舞の取材で、日本の政治の原点まで取材できたという、ラッキーな日でした。

  この項了